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鮭が川を上り、それを森に棲む熊が捕まえる。
その食べ残しが大地を肥やし木を育てる。
こちらはカナダ・ビクトリア大学のトム・ライムヘン教授の実証研究です。
「サーモンの教え」と題し、長良川湖畔で開かれた市民グループの国際シンポジウムで報告されました。
観察の場は熊8頭が棲む森。その樹木の間を縫う川には、年間100万匹の鮭がおり、熊達はその鮭を森の奥に運んで食べます。
体のタンパク質の70%を鮭で得ますが、好き嫌いがあって全部を食べる事はありません。残りは土に埋まったり、鳥や虫の餌になったりします。また、その鳥などの糞や死骸もやがて土に返ります。
こうした「物質循環」の結果、鮭が多くて熊の棲む森は土の栄養分に富みます。
そうでない森に比べ、木の年輪幅が2倍以上もありました。
このことは、木の成長力が強い事を物語っています。
「鮭は熊を介して森に栄養を運んで来るのです。多様な生物を育み、豊かな森を作る為には鮭が上る事の出来る川を守る事が大事です」
ライムヘン教授はこう語り、鮭の障害物になるダムなどに疑問を投げかけました。
「ダムの出来た川では鮭が激減しています」
鮭と熊は一例として、自然界には思わぬ所に連関と秩序があるようです。
その秩序を人間が乱してはいないか謙虚に見据えるべきなのではないでしょうか。
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